保全活動の役割分担の考え方
TPMでは、設備を「自分の体は自分で守る」のが基本です。日常的な劣化防止(清掃・点検・給油・増締め)は運転者(自主保全)が担い、専門技術・分解整備・寿命予測・大規模修理は保全部門(計画保全)が担います。さらに「不良を出さない設備条件の管理」を品質保全が受け持ち、三者が連携して設備を守ります。
三つの保全活動の分担
| 活動 | 主体 | 守るもの/主な仕事 |
|---|---|---|
| 自主保全 | 運転者(オペレーター) | 劣化を『防ぐ』『見つける』。清掃・点検・給油・増締め、簡単な手当て、異常の早期発見・連絡 |
| 計画保全 | 保全部門(保全技能者) | 劣化を『測る』『直す』。定期点検整備、CBM(傾向管理)、故障解析、改良保全、予備品・保全費の管理、運転者への技術指導 |
| 品質保全 | 製造・技術・品質・保全の協働 | 不良を『出さない』。不良に影響する設備の『4M条件』を洗い出し、条件を設定・点検・維持する(QM マトリックス等) |
連携を機能させる仕掛け
- ●保全カレンダー:自主保全の点検項目と計画保全の整備項目を1枚に統合し、ダブり・抜けをなくす
- ●MP情報・故障台帳の共有:現場が見つけた不具合を保全・設計へ流し、再発防止と次期設備へ反映
- ●MTBF分析の協働:故障の傾向を一緒に分析し、自主保全の点検基準と計画保全の整備周期を見直す
- ●総点検教育の講師を保全部門が務め、運転者の点検技能を底上げする
- ●『困難作業』の線引き:危険・高度な作業は無理に現場へ渡さず保全部門が担当(安全最優先)
関連用語
- 保全の予防(MP情報)
- 現場・保全で得た不具合・改善情報を蓄積し、設計部門へフィードバックする情報。
- 傾向管理
- 振動・温度・摩耗量などを定期測定して劣化の進行を予測し、最適時期に保全する管理(CBMの中核)。
- QM(品質保全)マトリックス
- 不良モードと設備の4M条件の対応関係を整理し、どの条件を管理すれば不良が防げるかを見える化する表。
間違えやすい点
自主保全は「保全部門の仕事を肩代わりすること」ではありません。あくまで“劣化を防ぐ・見つける”役で、分解整備や寿命予測・大規模修理は計画保全の領域です。また危険・高度な作業を無理に現場へ移管しないこと(安全が最優先)。
理解度チェック
確認クイズ
Q1.自主保全(運転者)が主に担う役割はどれですか?
Q2.計画保全(保全部門)の役割として適切なのは?
Q3.自主保全と計画保全の連携を助ける仕組みとして適切でないものは?