保全方式の全体像
設備保全は大きく『故障してから直す事後保全(BM)』と『故障する前に手を打つ予防保全(PM)』に分かれ、さらに予防保全は『時間で区切るTBM』と『状態を見て決めるCBM』に分かれます。これらに加え、設備そのものを故障しにくく改良する『改良保全(CM)』、設計段階で作り込む『保全予防(MP)』を合わせた5つが基本の体系です。
5つの保全方式
| 方式 | 英語/別名 | 内容 | 向くケース |
|---|---|---|---|
| BM(事後保全) | Breakdown Maintenance | 故障・停止してから修理する。計画的に“あえて”事後保全とする場合(CM:Corrective)もある | 故障しても影響が小さく安価な部品、二重化された機器 |
| TBM(時間基準保全) | Time Based Maintenance(定期保全) | 一定期間ごとに点検・部品交換する予防保全。暦時間や稼働時間が基準 | 摩耗・劣化が時間に比例する部品(ベルト・パッキン・潤滑油) |
| CBM(状態基準保全) | Condition Based Maintenance(予知保全) | 振動・温度・摩耗量などを測り、劣化が一定値に達したら保全する | 回転機械など状態を計測しやすく、停止コストが大きい設備 |
| CM(改良保全) | Corrective Maintenance | 故障しにくい・保全しやすいよう設備の材質・構造を改良する | 故障が繰り返す部位、寿命が短い部品 |
| MP(保全予防) | Maintenance Prevention | 新設備の設計・計画段階で、故障せず保全しやすくLCCが小さい設備を作り込む | 新規導入・更新する設備 |
予防保全(PM)の2系統
- TBM(時間基準保全)=定期保全
- 「3か月ごとに交換」のように、決めた周期で点検・整備・交換を行う。シンプルだが、まだ使える部品を捨てたり、寿命前に壊れたりするムダ・リスクが残る。
- CBM(状態基準保全)=予知保全
- 設備診断技術で劣化の進行を監視し、「危ない兆候が出たら」整備する。ムダ・突発故障とも減らせるが、計測機器・判定基準・要員が必要。
間違えやすい点
「TBM=定期保全(時間基準)」と「CBM=予知保全(状態基準)」を取り違えないこと。CM(改良保全)は“設備を直す”活動ですがMP(保全予防)は“設計段階の作り込み”で時期が違います。また計画的に行う事後保全(CM:Corrective =あえてのBM)と、改良保全のCMは紛らわしいので文脈で判断します。
理解度チェック
確認クイズ
Q1.「設備の状態(振動・温度など)を測定し、劣化が一定値に達したら整備する」保全方式はどれですか?
Q2.TBM(時間基準保全)の説明として正しいのは?
Q3.MP(保全予防)が行われる段階として正しいのは?