ねじ・ボルト・ナットの役割
ねじ(ボルト・ナット)は、部品を締め付けて固定する最も基本的な機械要素です。ボルトを締めると軸方向に引っ張り力(軸力)が生まれ、その反力で部品どうしを強く押し付けて固定します。この軸力が不足すると緩み・ガタ・振動・異音・破損の原因になります。自主保全の基本条件「清掃・点検・給油・増締め」の一つが、この増締めです。
ねじが緩む主な原因
- ●振動・繰り返し荷重で、ナットが少しずつ回って戻る(戻り回転による緩み)
- ●締め付け面(座面・ねじ山)の初期なじみ・へたりで軸力が低下する
- ●そもそもの締め付けトルク不足、または締めすぎによるねじの伸び・破損
- ●温度変化による膨張・収縮の繰り返し
- ●ガスケット・パッキンのへたり(へたると締結部が緩む)
増締め点検のポイント
- 合いマーク
- ボルト頭(またはナット)と相手部品にまたいで線を引いておく。線がずれていれば緩んでいると分かり、見るだけで点検できる。
- トルクレンチ
- 規定の締め付けトルク(N·m)で締めるための工具。設定値で「カチッ」と知らせるタイプなどがある。重要部位は規定トルクで管理する。
- 締め付け順序
- フランジなど複数本のボルトは、対角線状に少しずつ数回に分けて締める。一か所だけ強く締めると片当たり・変形・漏れの原因になる。
- 緩み止め
- スプリングワッシャ、ダブルナット、ゆるみ止めナット、ねじロック剤などで戻り回転を防ぐ。
注意
「とにかく強く締めればよい」は誤りです。締めすぎるとボルトが塑性変形(伸びきって元に戻らない)したり、ねじ山がつぶれて、かえって軸力が出ず破断します。重要部位はトルクレンチで規定値どおりに締め、規定がない箇所も“力いっぱい”ではなく適正に締めます。増締め後は合いマークを引き直しておきます。
理解度チェック
確認クイズ
Q1.ボルトを締め付けたときに部品を固定している主な力はどれか。
Q2.増締め点検で「見るだけで緩みが分かる」ようにするための工夫はどれか。
Q3.ボルトの締め付けについて正しいものはどれか。